MatchReview Sense X vs PENGUIN

まあ、たまたま某配信で観たので。

レベル的には想像していた通りといったところかな。

面白いかと言われれば、これが案外面白い。一応形になってる勝負も多いし、いい勝負になっているからだと思う。

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Himmelsdorf

A:SX D:PG

前説

個人的にはこのマップで5Aとか113というのはあんまり評価してない。理由は色々とあるんだけど、結局50Bでなんの問題があるの?ということもある。こういう風に書くとDPMがウンタラという話になるのだけど、面倒だから結論だけ書くと少なくとも5000くらいはダメージが出ない限り50Bの方が火力が出るはず。そうでなくともS.Conを採用した方がよいのでは?とは思う。

とはいえ操作難易度の問題もあるしpingの問題もある。たぶんType5はCISほど命中させるのは難しいから選択したくなかったのだろうし、S.Conは新車両だから慣れてないという理由は両者の構成から想像できる。

PGはマップによらず比較的速戦派のよう。防衛側だけど先制を狙ってるからE3を選択していないのには作戦上の理由がある。この動きなら確かに道理。ただ攻撃側のSXはよくわからない。この形なら113を採用する必要がそれほどあるとは思えないんだけどな。最初の広場の視界を優先させてるのかしら?広場内に防衛側が突っ込む展開というのはちょっと考え辛いと思うけど。それ以外なら急いでとっても仕方ないように思うし。

でも結構これやってるチーム多いから、なんだろ、5ライン通った瞬間撃てるとかかな?

試合展開

流石に丘上のB-Cは無警戒過ぎる。初動の視界にいなかったのは仕方ないとしても、その後の動きはちょっと良くない。タイミングがズレて登ってくる可能性は十分考えられるし、もしB-Cが登ってきてたら当然それは初動の視界に入らないはず。これは事故だけど起こるべくして起きてる。

その後のMaus撃った後のPGの反応は悪くないけどSXはMausを叩きつつcap1に突っ込んでいくしかなかったのでは?とはいえ無理だとは思うけど、そこから丘に登るようだと、逆転の目がなさすぎるように思うが。

最後のcap1への50Bの反応も悪くない。PGは上手い組み立てだなと思った。この感じならMausに何もなくてもPGが勝っていたと思う。

A:PG D:SX

前説

SPGにどう反応するかが問題になってる。ちょっとPGの取ったルートは良くない。まあ最終的に勝ってるんだけど。このマップではSPGが入っていただけで、それは防衛のSPGはほぼ間違いなくA1にいることがわかる。これでcapの負担がほぼなくなるのだが、一つ問題がある。この赤線のラインは最低でも死守しないとSPGは使い物にならない。同時に6vs7だから野戦にはしたくない。つまりこの赤線付近に敵がいることになる。

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試合展開

つまりまず丘上を取る必要がない。なぜなら撃てる範囲に敵がいる可能性は限りなく低いし、cap2はSPGが存在する限り、それで勝つことが難しい。

PGはまとまって敵に当たればそれで良かったのだ。

某配信でも言ってたけど広場を北伝いに動くときには3ラインの監視はセットなのがUnityスタイル。そもそも、そんなに危険なルートをとる必要がない。最短距離で敵に突っ込めばいいのだから。南から突入して113を払ってしまえばeasy winで、現実にそうなった。G3とセットになってればなおよいけど、この場合は広場で多大な犠牲を払った成果が出ているといえる?

SXは北のE3の動きがよく分からなかった。映ってなかったのでよく分からないけど何か大事故が発生したのかしら。ミニマップ見てもちょっと分からない。それと南で113が計算以上に簡単に撃破されてしまったのが痛い。もうちょっと工夫のしようがあったような。こうなるともうE3よりFochBの方がマシというやつなのかなぁ。

Cliff

A:PG D:SX

結構な謎なのがType5。Type5を中央へ向かわせてHPboxにしつつB-Cは2ラインへ走るならまだ分かる。とんでもなくハイリスクだしIS-7でいいと思うけど。B-Cが中央へ行ったのが謎。その後に山を回ったのは致し方ないというか、もう突っ込んだ時点では何をどうしても何にもならんから仕方ないというか、まあ時間短縮みたいなもんでしょう。

type5じゃなけりゃ山の上からA5に制圧射撃入れまくってから突っ込めよとも言えるけど、放っといたらtype5が撃破されたところからスタートになっちゃうわけで、やっぱりどうにもならない。

PGの構成がイマイチだったし、作戦も良くなかったと思う。もうちょっとやりようあったのでは。

A;SX D:PG

簡単に言えば防衛側D4のIS7が負担になってしまった。この背後をA5のStrvがカバーする予定だったのかなあ。7/42時代はA5がマップにも手が入ってなくてもっと強いポジションだったし*1枚数の関係もあってそれが通用したけど、今はちょっと単独でそれをやらせるのが不可能に近い。

今となってはそれほど強くないポジションだと思うが、どうしてもD4に置きたいのならcap1の近くに何か置くとか工夫しておくのは手だったと思う。中央突っ込まれてもA5が強いので捌ききれるはず。

どうにせよ大外を回ろうとしたのはあまり良くなかったのでは?これでバラバラになってしまった。

中央も山上も抑えてという判断だったのかもしれないが、それなら登りかけのB-Cを潰して取り切ってしまえばIS7と交換になるだろうけど互角だったと思う。D4に置いてなければ交換にもならず圧勝だが。このとき攻撃側の主力が中央にいることを想定したのなら寄付きが遅いのでA5とD4はあまり良くないのが明らか。後ろを先に叩かれるから。

どっちとも判断がつかなくて全てが半端になってしまったなというところかな?内心は分からないけど。

Murovanka

これもHimmelsdorfと論理は同じで、攻撃側が防衛側のラインを崩せるか否かにすべてがかかっている。ここでも5Aが用いられているけど、やはりあまりいいとは思わない。

このMurovankaでは最終的にB-Cを相手にしない展開というのは考えられないからだ。中華戦車の時代は終わったのでは?実際にRUSHは全く使わなくなっている。確かに試合を観る限りでは側面ですら撃ちにくいIS-7の強さに対して、正面ですら撃つ余地が残る113や5Aでは全く比較にならない。

攻撃力が必要なら、そういう戦車を用意するべきだ。DPMはそれほど重要ではなかったりする。どうせ一発弾くか外すかすれば、それで追いついてしまうのだから。

さて試合展開は観ての通りでSXはSPGが入った構成ならこういう布陣になるだろうと予想のど真ん中と言っていい。ほぼK1またはK2にSPGがいることは確定している。PGのHTもこういう風に動くしかないところだと思う。

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問題はMTの入り方だった。赤の防衛ラインのどこかに飛び込めばいいのだが、実戦は緑のラインでS.Conを目標に入ってしまい、これが大失敗。白丸と目標だったはずのS.Conからクロスファイアになる。そもそも緑のライン上をずっと撃たれながら走っているのだから、これで最終的な取引が得になるはずがない。この点について少し経験不足だったのかもしれない。もっと奥で撃たれ始める予定だったのかなあ。直感的にはそういう風な動きに見えた。

WoTの集団戦の起こし方についての基本の一つ「防衛側は先撃ちの権利を得て、攻撃側はフォーカスの権利を得る」でいうと、防衛側の権利がフルに生きてしまって攻撃側の権利が行使できていないことになる。いかに先撃ちの時間を短くするか、いかに素早くフォーカスするかが重要なのだ。

たぶん黄のラインで白丸を標的にするべきだった。山の上から撃つのは難しいから*2これが実質最短で飛び込めて正解。白丸に防衛側が置いてなければそのまま雪崩れ込んでMausとS.Conを潰せばよい。

この動きができなかった理由は単に経験不足とかではなく、構成上の理由があるのではないか。Strvがその理由で、これがかなり重荷になっている。自分から撃ちに出る戦車じゃないからハッキリ言ってこういう展開では使いどころがない。cap2が狙いだったとしても他の戦車で良いのでは?このマップでは攻防ともにStrvを扱うのは至難だと思う。遮蔽や稜線が多すぎる。それなら単発優先だし、もっと言うなら砲塔が回った方がいい。ProkとCliffの防衛以外で使えるマップあるのかなあ。どこにせよ攻撃では使えないと思うよ。こういうところ、過大評価じゃないのかねえ。

今の環境でこのマップなら、わざわざStrvなど使わなくてもB-CなりS.Conなりを使えばいいのになあと。

*1:今でも強いけど

*2:北の山からフリーに撃たれる可能性があるので